第六回

情報が溢れた時代に必要とされるソムリエ。
それがキュレーターです。
キュレーターから生まれた言葉がキュレーション

今回のテーマは
「キュレーションが必要な訳」です。


まずキュレーションとは何か?
「インターネット上の情報を収集してまとめる事」
を言います。


情報を集めること、
これは本当に大事なこと、のはずですが
大量の情報が飽和している現在、
どの情報が自分にとって一番有益なのか
分からない人が多くいます。

私もその一人。
特に情報収集せずモノを買う人は、
日本においては6割弱にのぼるそうです。

その理由としては、

  • どの情報がいいか分からない
  • いつ最新のモノが出るか、
  • セールがくるのか分からない
  • モノ自体が多すぎてどれがいいか分からない

なんてものがあるんだとか。


そこで登場するのが「キュレーター
たくさんの情報から自分で良いと思ったものを
選び取り、ひとつにまとめてくれます。
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そしてキュレーションしてくれる例として、
こんなものがあります。


店主が選んだ商品だけが並ぶ、
店主と好みがあっている人にはピッタリの
コンテンツと言えます。

  • 美術館

常設展においても特別展においても、
一つのテーマに沿った作品が
それぞれの美術館に集められています。

通販カタログの一つですが、
特徴的だと言えるのが、
「一つのジャンルにつき一つの製品」
を掲載する、という所。
通販生活を購読している人にとっては、
「ここがオススメするなら間違いない」
と思えるわけですから、
二つ以上オススメする必要は無いんですね。

  • コンピレーションアルバム

「この年のヒット曲だけ聴きたい」
「あの年代のラブソングが聴きたい」
という人のために、
様々なアーティストの年代別ヒット曲だけを
収録したアルバムです。
リラックスできるJ-POPアルバムとか、
カフェで流したい曲だけを集めたアルバムなんかも
ありますね。



そして更に、
インターネットを上手く利用した
キュレーションの事例としては、
こんなものもあります。

  • 一万円選書

一万冊もの本を読む店主が、
客の好みに合わせて、一万円分の本を
送ってくれるサービスです。
元は北海道、地元の本屋でしたが、
このサービスを始めたことで予約が殺到したんだとか。

  • 買い物代行サービス

中々自分で服を選べない男性に、
女性目線でスタイリングをしてくれるサービス。
この人に気に入ってもらえる服装というのは、
本人に決めてもらうのが確実と言えますね。

  • コーディネート系アプリ

WEARやiQONといったアプリが
有名です。
芸能人、有名人が着ている服に合わせて
スタイリングをしてもらうシステムです。
好きな芸能人の服を真似してみたい、
という人は少なくないんじゃないでしょうか。



キュレーションという言葉、
佐々木後尚の「キュレーションの時代」
によって注目されるようになりました。

なぜ近年キュレーションが重要視されてきているのか
それはSNSとブログの利用者数を比べることで
よくわかります。

かつて人気を誇っていたブログサービス、
利用者数は約300万人でした。

そして、現在多くの人に使われているSNS
TwitterInstagramの利用者はそれぞれ、
4500万人と3000万人

いかに情報が溢れかえっているか
この数を見れば明らかですね



さて、そんな多大な情報が行き交うSNSですが、
ここにもキュレーションシステムが
導入されています。

沢山フォローしている人がいたり、
タイムラインを中々追うことができない人のために
「いいねが多くついた投稿」
「よくいいねしている人の投稿」
だけが
タイムライン上に表示されるようになります。

初めて導入したのがFacebookで、
他のSNSも独自のキュレーションシステムを
導入しつつあります。


マザーテレサの言葉に
好きの反対は無関心である
という言葉があるそうで、
まさにその通りといえるのではないでしょうか。


Facebookのキュレーションシステムは、
他と違う点として、
広告もキュレーションする
というところがあります。

どのようにキュレーションされるか、
友達が公式アカウントにいいねした企業の広告が
表示されるようになります。



広告ってウザく感じますよね。
投稿5~6個につき1つくらいのペース
広告が表示されているそうです。

しかし、それは仕方の無いこと。
私たちが無料でSNSを利用できるのは、
広告収入があるからである
。と言えます。

広告が必要ないと判断されれば、
有料サービスにするか、
サービス自体を終了させるしか
なくなってしまいます。

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もはや有料でもいいと思いますが…

広告というものは、もちろん
インターネットの普及前からあった訳ですが、

ダイレクトメールによる広告、
これは受け取り拒否が出来るんだそうです。
私も今回初めて聞いて驚きました。



こういった「受け取り拒否」の行動は
「嫌い」とキッパリ意思表示をすることであり、
中々勇気のいる行動でした。

しかし現在、
キュレーションシステム利用することで
好きなものに反応を示すだけで、
嫌いなもの、興味のないものは消え、
好きなものだけが出てくるようになります。

微妙な変化ではありますが、
押しの弱い私たち日本人にとっては
とてもありがたいものではないでしょうか。




キュレーションされるものとして、
他にも「ニュース」が挙げられます。

検索ブラウザのホームに、
興味のありそうなニュースを表示させてくれるように
なりましたね。

YahooとGoogle、ここでも謎の比較をされます。
ニュースのキュレーション方法についてです。
Yahooは手動、Googleは自動でキュレーションを
行うようになっています。


ただこのニュース、
YahooやGoogleが書いて配信しているわけではなく、
ニュースを書いているのは別の会社です。

様々なニュースサイトから、ユーザーの好みに合いそうなものを
キュレーションして引っ張ってきているんですね。

それって無許可ならヤバイんじゃ………
そこは天下のGoogle先生
「私達が宣伝しているから見てもらえるのですよ?」
と言わんばかりの圧力を
かけているとかいないとか



ニュースをキュレーションしているのは
YahooやGoogleだけではなく、
グノシーやSmartNewsといったアプリもあります。

テレビでニュースを見るとき、
自分の興味のあるトピックス以外も放送されますよね。
それが気に食わない、時間の無駄だ、という方に
まさにオススメなのがニュースアプリ。

興味のあるカテゴリを設定しておくだけで、
キュレーションされた好みのニュースだけが出てくるというわけです。

私も一度入れたことがあるのですが、
私は興味のあるカテゴリに絞るより、
様々な種類のニュースを流し見したい、
テレビ型派の人間だと思ったのですぐアンインストールしてしまいました。



前々回よく出てきた「ブログ」
これにもキュレーションサイトがあったようです。

2005年アメリカにて運営されていた
「THE HUFFINGTON POST
というブログのキュレーションサイト。

こちらはブログの記事をまとめるサイトだったようですが、
元記事のリンクを貼る、など
きちんと書き手に許可を取って掲載していたそうです。


しかし、もちろん許可を取っていない、
無許可のサイトもあるわけで…

書き手にとってはリンク先の元記事を見てもらわなければ
何の利益にもならない訳で、
一つの大きな問題となっています。


まとめサービスといえば、
NEVERまとめ
これは見たことがある人の方が多いのではないでしょうか。
2009年からサービスを開始し、
多い時で月間30憶PVを達成したんだとか。

しかし、現在は低迷期にあるようで、
閲覧数等の公開はしていないようです。


キュレーションされることは、私たちが何かを調べる上で
とても便利な方法ではあります。

しかし、それをされすぎても、
キュレーションされたものが溢れかえることになるので、
逆に無意味なものになってしまうのかもしれませんね。



今回はここで終わりです。
閲覧ありがとうございました。